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ジャミロクワイ『ファンク・オデッセイ』

ジャミロクワイ『ファンク・オデッセイ』 Jamiroquai - A Funk Odyssey

SNOOZER #027 - 2001年10月号 166ページ 文:田中宗一郎

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Jamiroquai - A Funk Odyssey

ザ・フーを例に取れば明らかだが、欧米のロックは、キリスト教的な価値観を根こそぎ否定することを、ひとつの契機とする場合が多い。で、そのプロセスとして、黒人音楽との出会いは、いつの時代も白人にとっては確かな刺激たりえたわけだが、そこから生み出された大方の音楽的成果は、いつも「郊外に暮らす白人の曖昧な憂鬱」に回収されてきたと言える。

例えば、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの ❝具体的な❞ 怒りが、いつの間にか、リンプ的な、曖昧な憂鬱やフラストレーションとして商品化されていったのを見ても明らかだろう(スリップノットが刺激的なのは、やはり田舎者の具体性を持っているからだ)。

ただ、いずれにせよ、郊外に暮らす白人というのは、その経済的余裕と中途半端に高い知的水準ゆえに、常に観念的にならざるをえないし、必然的に曖昧な欠片を抱え込むわけで、その結果、その欠落(そして、それと背中合わせの自尊心)を埋めてくれる、アーバン&スノビッシュな音楽の市場を牽引してきた。そして、この期に及んでも、郊外の白人気分に浸っていたい日本のユースの間で、ジャミロクワイは人気だ。だが、それは、ある種の ❝具体性❞ を伴っているはずのジャミロクワイにとって不幸だと思う。

何故ここまで、この白人がファンクに固執するのか、ちょっと考えてもよかろうに。

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Little L

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You Give Me Something

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Love Foolosophy

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Corner of the Earth

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SNOOZER #027

http://www.littlemore.co.jp/magazines/snoozer/issues/2001101856.html

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以上。