エディターズ『アン・エンド・ハズ・ア・スタート』
エディターズ『アン・エンド・ハズ・ア・スタート』 Editors - An End Has A Start
SNOOZER #062 - 2007年8月号 165ページ 文:田中宗一郎
もはや校了してしまったのでどうしようもないのだが、今号のP.216から始まるインディ・バンド星取り表に一つだけ訂正したい点がある。それはエディターズのところ。普通に良いと思っていたけど、違った。もうたまらなく良い。一連のポスト・パンク・リヴァイヴァリストの中で、エディターズだけが断トツに素晴らしい2ndアルバムを作った。1stアルバムが薄暗い闇に淡い光が差し込むような作品だったとすれば、本作は漆黒の闇に突然まばゆい光が降り注ぐような作品だ。R.E.M.の曲をエコー&ザ・バニーメンが演奏しているようなアルバム一曲目*1を聴くだけで、もはや至高の境地。凄まじい高揚感が味わえる。
薄暗い教会が似合う、初期キュアー譲りの深いエコーがかかったモノトーンのサイケデリック・ギターは、スピリチュアライズドにも似た、壮大なスケール感を感じさせる総天然色のギター・シンフォニーにグレードアップされた。イアン・カーティスにそっくりな、浪々と響き渡るトム・スミスのヴァリトン・ヴォイスは、時にナット・キング・コールばりに甘く、時にスコット・ウォーカーに並ぶほど情熱的。
これは、ハウス・オブ・ラヴの2ndアルバム*2とレディオヘッドの『ザ・ベンズ』との間にあるどこか。何ら信仰を持たない、罪深き我々のための21世紀のゴスペル・アルバムだ。素晴らしい。
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Smokers Outside The Hospital Doors
An End Has A Start
The Racing Rats
Push Your Head Towards The Air
残りのシングル ❝Bones❞ は公式がアップした動画か判別つかなかったので割愛しました。
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http://www.littlemore.co.jp/magazines/snoozer/issues/20070818116.html
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※改行はうんぬんかんぬn
以上。